調律と弦長補正
先日ピアノ調律のセミナーに参加
両国門天ホール主催の「みんなの知らない調律師の世界」という会。
もう何回か催されて今回はちょっと突っ込んだ内容。
「平均律の基本4度と5度の体験」と題して開かれた。
ピアノ調律とギターのフレッチングはともに平均律を採用しており相通じるところもありギタリストからみても大変興味深い内容であった。
基準音から順に純正5度で合わせていくと最終的にオクターブで24セントずれるピタゴラスコンマの体験など…私にはとても楽しかった。
あああっ、小難しいことを書いてしまった…
そう、だからギターの隣り合う4度の関係はピッタリ合わせてはならない。
ほんの少しずらさなければならない。
6本の弦を平均律に則って純正からずらす。
しかし解放弦同士を耳で合わせると必ずと言って良いほど隣り合う弦は純正になる。
それはそうだ。
唸りを消すことは簡単だがほんの少し残すことは凄く難しい。
平均律に則って合わせることは極めて難しいが精度の高いチューナーを正しく使えば実現できる。
この正しくがミソ。
さらに一歩踏み込むと押弦した際に平均律の音程を実現するための弦長補正の問題がある。
特定の銘柄の弦の押弦したときの歪み方と歪みを吸収する補正量を6本の弦に対してそれぞれ最適化することによって驚くような音程感が得られる。
だから6通りの補正量になる。
6本の弦の個性はバラバラだ。
よってサドルのエッジが一直線ではいけない。
この領域まで知っている人には未だ出会ったことはない。